もしかしたら私は今、マルチ商法の勧誘を受けているかも知れない
昔、仲の良かった友達から久しぶりに連絡が来てマルチ商法の勧誘を受けている。どうしたらいいかわからない。。
そもそも、マルチ商法とかネットワークビジネスってよく聞くけど、どんなものか詳しく知らない
この記事にたどり着いたあなたは、マルチ商法に関する不安や疑問をお持ちなのではないでしょうか?
ズバリ言います。
マルチ商法やネットワークビジネスは関わることであなたの人生を大きく歪めてしまいます。
なぜ、筆者の私がここまで言い切れるかというと、私自身が昔マルチ商法の勧誘を受け洗脳をされた経験があるからです。
就活戦争の末、苦労して就いた仕事、給与、どんな時も支えてくれた友達家族、そして自分自身の人格すらも失いかけました。
そんな筆者である私のマルチ商法-ネズミ講からの勧誘された経験をお話します。
***
大学を卒業して、地方から都会に働きに出た私は新しい環境で仕事以外の友人がいなく寂しい思いをしていました。
全国展開している会社であることもあり、転勤するたびに友人関係がリセットされる運命を受け入れなければなりませんでした。
なので、どんな場所に転勤しても友達を作れる力を付けようと決意したのです。
コミュニケーション能力を鍛えるために連日勇気を出して酒部に1人で飲みに行きました。
酒は弱いのに、無理をするくらい必死でした。
ある日酒場で、5つ上のTさんという性格の明るい容姿端麗な女性と出会います。
家も近く、ランチやディナーなどをよく一緒にするようになりました。
年上ということもあり頼りがいのあるTさんと恋心こそ無いにしろ、次第に仲良くなりました。
そして、事件は起きました。
Tさんとも顔見知りの50代の男性Hさんから、私は強烈なマルチ商法への勧誘を受けました。
いわゆるAmwayの勧誘で2時間以上ドトールで高圧的に詰められました。
その日は、知り合いの助けもあり、場を逃げ切ることができました。
しかし、帰宅後もラインで罵声を浴びせられ、大きなショックを受けて人間不信状態に。。
そのことをTさんにラインで相談すると、心配してくれてすぐに電話をくれました。
正直、勧誘がとても怖かった事もあり、この時電話をくれて本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
「本当にTさんと出会えて良かった。今の自分にはTさんしかいない。」と思いました。
実はこのTさんこそがマルチ商法の上級勧誘者だったのです。
勧誘事件があった1ヶ月後に、その事実を突きつけられました。
Tさんはモデーアというマルチ商法をしている組織に所属しており、他社であるAmwayの勧誘被害者の心理を逆算して洗脳を進めていたのです。
私は、思惑通り完全にTさんを信じていました。
振り返ればTさんが誘ってくれたフットサル、パーティなどすべてが怪しかったです。
私はギリギリ助かった身でした。
しかし、私はあろうことか周囲の反対を押し切り新卒入社した大企業を退職して、Tさんの師匠に弟子入りしようと引っ越しの準備までしていました。
今考えると恐ろしいですが、極限状態。
まさにすべてを失う手前だったのです。
「こんな最悪な経験、他に人には絶対して欲しくない!!!」
この思いのもと、マルチ商法被害拡大防止の為の活動を個人的に行っています。
その活動の中で被害者や被害にあいかけた方々を何十人と救出する事に成功しています。
本記事では、私自身の経験と被害者の実話をもとにマルチ商法の特徴、手法、勧誘の断り方などを紹介します。
最後まで読んで、マルチ商法に洗脳されない力、洗脳から抜け出す勇気を持って頂けるとこれ以上に嬉しいことはありません。
1.マルチ商法をしている人の特徴

マルチ商法被害は、既にマルチ商法をしている人との接触から始まります。
しかし、マルチ商法についてあまり詳しく無い方からすると、新しく知り合った人がマルチ商法勧誘者なのかどうか判断が難いハズです。
そんな方のためにマルチ商法をしている人かどうか見極めるために、特徴を5つにまとめました。
これらの特徴が当てはまる人を怪しむ事で、被害に会う確率をグッと下げる事が出来ます。
1-1.夢や仲間という言葉が大好き
マルチ商法をしている人は、急に「夢ってあるの?」などと聞いてくる事が多いです。
考えてみてください。
知り合って間もない人にイキナリ夢について聞きますか?
かなり打ち解けて馬が合えば別ですが明らかに不自然です。
よくよく考えれば変な流れから、
「夢を叶えるためにはお金が必要。お金を得るためには仲間が大事。だから!私達お互いの夢の為に仲間になろうよ!」
という順序で迫ってきます。
初期の段階で具体的な勧誘はされませんが、心理的に距離を縮めてその後に勧誘されます。
1-2.趣味が読書
趣味の話になると「読書です!」と答えるのが多いのもマルチ商法の特徴。
パターンとして、昔は読書嫌いだったけど知り合いに薦められた本を読んでから価値観が変わったというものです。
読まれている本のほぼ100%は自己啓発本です。
著者はロバートキヨサキ、斉藤一人、永松茂久などの本が読まれています。
上記の著者の本自体は素晴らしい内容のものですが勧誘行為に使われている現状があります。
これらの著者の本が好きだと言う人に会ったら少し疑った方が良いでしょう。
特に注意するべき本は
●金持ち父さん貧乏父さん
●キャッシュフロー・クワドラント
●ユダヤ人大富豪の教え
です。
これらの本はコンテンツは素晴らしいものの、マルチ商法に洗脳するために打ってつけなのでひんぱんに勧められます。
1-3.無駄に明るい性格
勧誘する為に第一印象は最重要です。
なので、マルチ商法をしている人には不自然なまでに性格が明るい人が多いです。
ただ単に明るいのでは無く、少し無理をしている感じのある人がいます。
なぜなら、彼らは勧誘を続け利益を出さなければならないというプレッシャーのもとあなたに声をかけているからです。
そう思うと少し悲しさがあります。
1-4.まじめで優しい
ある意味、これが最強で最悪な特徴かもしれません。
マルチ商法に既に洗脳されて、勧誘活動をしている人は自分たちがしている行為が本当に人の為になると信じ切っている人がいます。
目の前にいる大事な友人のためになんとか勧誘をして商品の良さを知ってもらいたい。成功してほしい。と心から思っているからこそ、その意志は強いです。
正義感のある方はそんな人を助けたいという思いからマルチ商法関連のトラブルに巻き込まれることもありますので注意が必要です。
1-5.派遣社員、契約社員であることが多い
勧誘者は組織内の上司の呼び出しにすぐに応じなければなりません。
なので、正社員として会社に束縛されてはマルチ商法の勧誘活動がまともにできないので派遣社員をしながら勧誘をしていることが多いです。
また、派遣社員や契約社員でも大手や大企業に拝見されているパターンが良く見受けられます。
理由は、その大手の名刺や看板を使って信用をさせて勧誘をするためです。
1-6.集合写真で親指と小指を立てたポーズをする
このポースです笑

筆者は数百人のマルチ商法に従事している人間と会ってきましたが、集合写真のときに決まってこのポースをしています。
このポーズをする人すべてがマルチ商法に関わっているとは決して言いませんが、
ピースでなく、このポーズをするのは変かと思います。
1-7.SNSに充実した風な写真ばかり載せる
楽しいそうな集団での集合写真や海外のリゾート地やお洒落なバーやカフェでの写真ばかりをアップロードしているアカウントにフォローされた経験はありませんか?
インスタやツイッターをしている方でしたら一度は経験したことあるかと思います。
バーなどで知り合った方とSNSを交換して、アカウントを確認して、異常に充実している写真や、ポジティブな内容ばかりだと注意してください。
2. マルチ商法の勧誘の手法

マルチ商法の勧誘をしてくる人達は、その行為によって利益を得ているのでいわば洗脳のプロフェッショナルと言えます。
その洗脳の巧みさは、人によって差はあるものの、長年マルチ商法を運営している会社の中で蓄積されたノウハウをもとに構成されて行われています。
自分は引っかからないと過信せず、気をつけておくことが大事です。
とは言っても、一方でマルチ商法の勧誘方法は運営会社が違っても大体共通しています。
下記に、そのメインのパターンを勧誘段階ごとにまとめました。
マルチ商法をしている人の特徴を持っている人がこのパターンの行動に走ったら、ほぼ確実にマルチ商法の勧誘行為に該当するので細心の警戒心を持って下さい。
2-1.カフェで1対1で会う約束を入れようとしてくる
初期段階になりますが出会って、1,2週間以内に2人で早速会おうとしてきます。
勧誘者は異性である事が多く、カフェは比較的安いところを相手側から指定されます。
マルチ商法勧誘者の多くは利益を出せてないにも関わらず、勧誘に利用する場所のカフェ代等を自分で出さなければならなりません。
なので、1度の勧誘でのカフェ代を安く済ませたがります。
初期段階かつ、下っ端の勧誘者との最初の接触で、逆にこちらから高めの店を提案をするとだいたい断られます。
2-2.今の仕事について聞く、不満を聞き出そうとする
実際にカフェなどで会うと、どのような会話がされるかというとおおよそ、現状の仕事の不満について聞かれるのがパターンです。
不満や、不安に対しては付け込まれやすいです。
マルチ商法の勧誘者は人のそういった弱さを利用して洗脳の第一歩を歩み寄ります。
不満を吐くと勧誘者はこのように続けるでしょう。
マルチ商法勧誘者「普通にサラリーマンしてたら大変だよね。私も昔そうだったなあ。
でも、今は一緒に夢をや目標を目指す仲間や、導いてくれる孫権している人もいるお陰で最高に楽しく働けているよ。
ここで「今の仕事の不満がこの人と関われば解消されるかもしれない」
と興味を持つそうな素振りを見せると次の段階に移行させる勧誘になります。
2-3.フットサル、タコパ、会場を貸し切りのパーティに誘われる
1対1での食事に2回から3回行くと、次には「仲間たちとの集まりがあるから良かったらおいでよ」と誘われます。
集まりの内容としては下記のようなものがあります。
●フットサル
●バスケットボール
●たこ焼きパーティー
●英会話の集まり
●バーベキュー
●社会人読書会
など。
こうした集まりに私自身も何度も参加しましたが普通に楽しいです。
社内の人との関わりが多く、社外の人との関わりが少ない人には更に刺激的かつ楽しく感じるでしょう。
参加するうちにマルチ商法メンバーと仲間意識が芽生えてきます。
楽しみを共有することは残酷ながらも、洗脳にはうってつけなのです。
2-4.師匠に合わせようとしてくる ABC勧誘
集団での接触を終えると、洗脳後半に入ります。
ビジネスでの成功者、マルチ商法勧誘者と3人で合う機会を設けられます。
ここで会わされる成功者は組織内で地位が高く、独特のオーラや雰囲気を持っている人が多いです。
普通に人として魅力的な人物です。
その魅力を間違った方向に使ってしまったような人です。
師匠、先生などと呼ばれる人と会う時は席の配置が必ず決まっています。
下記のように必ず座らされます。

これは、ABCという人の思考を支配するための心理的な洗脳手法です。
「なんで、この配置なの?」などと質問すると
「師匠、先生のオーラがすごすぎて圧倒されるから私の隣にいたほうがいい」
「師匠が見込んだ人はこの位置に座らせる癖がある。あなた見込まれてるよ。びっくりした!」
などと適当なことを言われて、ABC理論について触れさせないようにします。
この段階では、洗脳行為は非常に匠で、自然に成功者に対して質問をしてしまうような空気感があります。
気がついたらマルチ商法勧誘者の前で色々喋ってしまっています。
2-5.弟子入りさせようとする
最終段階です。
師匠クラスの人と会ったあとは、セミナーやキャッシュフローゲーム会に複数回参加させられます。
最初の接触から最低3ヶ月ほど立ったくらいに弟子入りという名義で会員登録を促してきます。
自称、年収数億円のボスクラスの人物の前で話をしたあと書面で契約となります。
契約後はマルチ商法会社の製品を他の人に売ったり、会員を増やす活動を始めなければならなくなります。
正社員の人は、本業を辞めて派遣社員などにさせられ商品販売にコミットするように言われます。
「不労所得で自由な、君らしい人生を歩もう」などもっともらしいセリフを投げかけられます。
このような5つの勧誘フローでマルチ商法に洗脳していきます。
一部、「法的に問題がないから個人の判断でしたければしていい」
という意見もありますが法が許しても、道徳が許さないのがマルチ商法です。
実際に会員になり、甘い言葉に惑わされ、仕事を辞めて商品販売と勧誘を頑張ってみたものの稼げなければ自己責任。
勧誘者や、ネズミ講構造の上層者は洗脳者に売った商品や会員料で潤う構造。
私は道徳に反するやり方だと思います。
3.マルチ商法をしている有名な会社
ここまで読んで頂けたらマルチ商法の手法や、勧誘の仕方、洗脳後にどうなるか理解出来たかと思います。
また、皆さんの中には「マルチ商法で営業している会社なんてたいして大きな会社じゃなくてコソコソやっている会社だろう」
と思っている人もいらっしゃるかもしれません。
確かに、最近は中小のマルチ商法企業は多いですが、流通している商材のほとんどは大企業のモノになります。
つまり、おおよそマルチ商法をしている大企業の名前と商材の特徴を知れば
勧誘された際に商品種類や社名を知る事で洗脳回避出来る確率が大きく上がります。
下記に、日本国内の主要5社をまとめました。
3-1.アムウェイ

マルチ商法の代表と言っても過言ではない存在。それがアムウェイです。
日本では日本アムウェイ合同会社という法人名で営業しており、ディストリビューターと呼ばれる会員販売員(勧誘者)によって商品が売られていきます。
商品はサプリメントや、洗剤、空気清浄機など様々です。
よく言われていますが、商品自体は大変良質です。
下記に楽天のURLを貼っておきますが謎に評価は高いです。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/アムウェイ/
会員によるステマである可能性も高いですが、筆者自身も歯磨き粉などを利用経験があり確かに良いものだとは思いました。
いくら商品が良くても「 下級会員のやり方が悪ければ、善だと言い難い」です。
特徴は
●独自のパネルやスライドを元に勧誘が行われる
●37という数字が頻繁に出てくる
●ユダヤ人大富豪の教えという本を読ませようとしてくる
【会社概要】
社名:日本アムウェイ合同会社
商品:サプリメント、洗剤、空気清浄機、調理器具
資本金:50億円
代表者:ダグラス・デヴォス(会長)
住所;〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町7番1号
出所
日本アムウェイ(Amway)の会社概要|日本アムウェイ(Amway)公式企業サイト
3-2.モデーア(ニューウェイズ)

アムウェイに次いで、日本国内で有名なマルチ商法企業がモデーアです。
同社は2015年よりニューウェイズから社名変更して現在の形になっています。
商品は化粧品や健康食品を取り扱っています。
筆者の私が勧誘を受けたのも同社で勧誘のレベルは非常に高いです。
特徴
●月15万円投資という名目て、商品を15万円分買わされる
●師匠やオーナーなどと呼ばれる成功者の住む街、もしくはその街の近くに引っ越しをさせようとする。
●残業がない派遣社員やアルバイトに転職させて勧誘行為にコミットさせる
●格言サイトというメルマガに登録させようとする
●ロバートキヨサキのキャッシュフロー・クワドラントを読ませようとする
【会社概要】
社名:モデーアジャパン合同会社
商品:洗剤、化粧品、健康食品
資本金:1,000万円
代表者:大井盛夫
住所;〒105-0011 東京都港区芝公園3-4-30 32芝公園ビル
出所
3-3. ニュースキン

モデーアと並ぶほど知名度の高いマルチ商法の会社です
扱う商材もアムウェイ、モデーアと似ています。
大きな特徴としては、ルミスパという洗顔ブラシが有名ということです。
ニュースキンでは看板商品の様な立ち位置にあり、製品としても優秀です。
特徴
●出会い系、マッチング系のアプリに多くいる
●ルミスパという洗顔ブラシが有名
【会社概要】
社名:ニュースキンジャパン株式会社
商品:パーソナルケア製品、栄養補助食品
資本金:17億6000万円
代表者:小林和則
住所;東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー23階
出所
3-4.三基商事

ミキプルーンという栄養補助食品の名前を聞いた事のある人は多いのではないでしょうか?
その筈です。ミキプルーンを製造販売している三基商事株式会社はこのミキプルーンを宣伝する為にテレビCMを打っているからからです。
そのCMがこちら。。
テレビCMが放送されているほどの商品ですので、認知度が高いのは当たり前です。
しかし、このミキプルーンもマルチ商法によって流通されているという真実を知っている人は少ないのではないでしょうか?
商法はアムウェイやモデーアなどの他社と同様です。
社名: 三基商事株式会社
商品:栄養補助食品、スキンケア商品、家庭用品
資本金: 6,000万円
代表者: 門田淳
住所;大阪市北区梅田1-2-2-800
出所
3-5.ノエビア

東京証券取引場に2部上場している株式会社ノエビア。
ノエビアスタジアム神戸など、社名が施設名に使われるほど国内では著名な企業です。
実は、同社もマルチ商法を販売方法として採用しています。
商材は、化粧品や医薬部外品。他社の大手マルチ商法企業と同様に商品の質は良い様です。
国内の上場企業ですらマルチ商法を採用しているとなると、驚きですよね。
社名:株式会社ノエビア
商品:化粧品、医薬部外品
資本金: 73億1900万円
代表者: 海田安夫
住所;〒650-8521 兵庫県神戸市中央区港島中町6-13-1
出所
4. マルチ商法で人生が狂った人のエピソード3選
筆者は自分自身がマルチ商法の勧誘を受けたことをきっかけに務めていた会社を辞めることを検討しました。
結果、ギリギリのところでマルチ商法の勧誘であることに気が付き会社をやめずに済みましたが私以外の人で手遅れの人も居ました。
その経験から、手の届く範囲の人はなるべくマルチ商法から助けたいと思い個人的に救済活動をしてきました。
そのなかでも特に酷い目に会った方の事例を紹介します。(本人からの了承も得ております)
4-1. マルチ商法洗脳後追い込まれ 自殺未遂 22歳男性
Aさんは、子供の頃から憧れていた建築関係の仕事に就職しましたが、数年で病気を発症してしまい退職します。
病気は治った後に、小さな建築事務所に再就職しますがその傍らに友人の勧めでアムウェイを開始。
建築事務所での給料が低く、収入より出費が多くなり精神的に追い込まれていきました。
限界が来たAさんは大量の睡眠薬と高濃度の酒を飲み、橋の上から川へ投身自殺を図りました。
しかし、不幸中の幸い。
薬の量が多すぎたせいで、橋の手前で気絶。
通行人の通報により一命を取り留めました。
以後、再び職も失いましたがマルチ商法も辞め新しい職に就き、真面目に働き、今は通常の生活を取り戻しています。
自殺未遂の原因すべてがマルチ商法とは言えませんが、Aさんを追い詰めた一因であることは間違いありません。
4-2. 起業を夢見て退職、一切稼げず田舎の親元へ帰る 23歳男性 中部在住
Bさんは地方の大学でデザインを学び、卒業後は比較的大きな企業に就職します。
しかし、学生時代したかった仕事像とはかなりのギャップがありました。
地元が好きだったこともあり、次第に地元に帰りたいという気持ちも募る時期にSNS経由でマルチ商法の勧誘を受けました。
「権利収入や不労所得があれば好きな場所で生活できる。俺は起業家になって自由な生活を手に入れる」
と意気込み翌月には新卒入社した会社を退職しました。
地元に帰り、母親にマルチ商法で頑張っていくことを伝えたところ猛反対を食います。
それでも聞かないBさんを心配したご家族は精神科医やお寺などにつれてなんとか洗脳を解こうとしました。
そんな家族の姿を見たBさんは目を覚まし、マルチ商法から足を洗いました。
仕事を失った後でしたが、幸い若かったこともあり、1年のブランクはありながらも地場のデザイン事務所に再就職することができました。
マルチ商法に勧誘されなければもっと良い選択ができたと思うところもあります。
4-3.身体的コンプレックスに付け込まれ補正下着販売会員に登録 26歳女性
Cさんは、業界では高い地位に立つ大手の企業に新卒入社し、全国規模で活躍を知ていました。
入社して3年目の秋に関東から関西に転勤を命じられます。
安定した生活の中に大きな不満こそなけれど、漠然とこのままで良いのかという不安がありました。
その不安を解消し前に進むためにCさんは、様々な交流会に参加して色々な人と関わり、自分を成長させようとしました。
その交流会で知り合った、32歳のある男性と仲良くなります。
出会って1週間後に、おすすめの補正下着を売っている友人がいるから紹介すると言われ、興味本位でその店舗に行くことにしました。
身体にコンプレックスが少しあったCさんにその補正下着は魅力的に写り、1着10万以上するものを購入させられていました。
更に、その商品を購入するためにはディストリビューターとして登録を求められました。
Cさんは物欲しさに詳しく確認せずに登録。
筆者にこのことを話し自体が発覚。
契約書を見ると正にマルチ商法の書類だったのでその場でラインを通じて解約の意思を伝えさせました。
何も、失わずに済みましたがマルチ商法に詳しい人のフォローがなければこの先どうなっていたか分かりません。
このように、マルチ商法のターゲットにされるのは若い人です。
その中でも下記のような特徴を持つ人は注意が必要です。
●地方から都会へ就職していてまわりにすぐに相談できる人がいない人
●自分のやりたいことが明確にあるが、お金や経済的問題で半分諦めかけている人
●性格が真面目で優しい人
●交流会や街コンなどに頻繁に参加ししている人
●今の仕事や、自分に不満のある人
●成長意欲があるがどうしていいかわからない人
●情報弱者
「自分は絶対大丈夫!」と過信せず、これらの特徴の自覚がある様でしたら注意してみる事も大事です。
5.マルチ商法の勧誘の断り方
「マルチ商法についてよく分かったけど、勧誘された時具体的にどの様に断れば良いの?」
このような疑問をお持ちの方がいると思います。
ここでは実際に勧誘された時の断り方を紹介します。
5-1.今の生活(仕事や学校)に満足していることを伝える
マルチ商法勧誘者は、まず第一に現状の仕事に不満を持っている人をターゲットにします。
学校や会社での人間関係、働き方に不満を持っている人に、甘い勧誘文句は心に響きます。
世間一般において、学業や仕事に対し全く何の不満も持たずに働いている人は少ないです。
なので勧誘者にとっても不満を聞き出して、洗脳していくのがやりやすいのです。
だからこそ、そう言った隙を見せない様にしましょう。
「学生生活、充実してる?」
「今の仕事に満足してる?」
と聞かれたら、そうでなくても胸を張って「満足してるよ!」と伝えましょう。
そうする事で勧誘者もそれ以上入り込めなくなります。
5-2.論理でなく感情でしたくないことを伝える
マルチ商法の勧誘手法や手口は非常に論理的に構成されています。
深く分析すればその論理では上手くいかない事は目には見えています。
ですが、ターゲットにされる情報弱小の方は、その論理のズレをロジカルに言い負かす事ができません。
なので、論理攻めしてくる勧誘者には感情的に受け付けない事を伝えましょう。
「気持ち悪い感じがするから無理」
「よく理解でき無くてなんか怖い」
など感情100%でぶつかりましょう?
それらの返事に対して「なんで?」と聞かれる事もありますが、「なんでって言われても怖いからだもん。」
「気持ち悪いって感じるのになんでとか理由なくない?」
と論理では噛み合わない様にしましょう。
数分間、感情で対応すれば諦めてくれます。
5-3.警察、第3者機関に申し出ることをチラつかせる
マルチ商法勧誘者も、揉め事になってメリットはありません。
どうしても勧誘がしつこかったり、高圧的で悪質な場合は警察や消費者センターに訴える事をチラつかせましょう。
どんなに気の強い人でもやはり警察や第3者機関が関わってくると引きます。
自分の身を守るための手段だと割りきって警察や消費者センターの圧力を借りる事も大事です。
6.マルチ商法まとめ
筆者はマルチ商法の洗脳にハマりかけた時に、インターネットメディアのマルチ商法に関する記事を見て助かりました。
地方から都会に就職して知り合いが居ない頃に出会い良くしてくれたTさん。
Tさんが私にしてくれた全てがインターネットの注意喚起の内容に当てはまっていました。
その時はかなりショックで人間不信になり、仕事も人間関係も失いかけましたが、この経験のお陰で多くの人をマルチ被害から守る事が出来ています。
「マルチ商法等についてならアイツに相談した方がいいよ!」と周りから評判です。
今でも社内では「アイツ、マルチ商法やっているらしい」と噂されているところを見ると、実際に会員になったりせず、関わるだけでも実生活に支障をきたす程、悪評なモノだと実感しています。
真面目に生きたいなら絶対関わってはいけません。
情報をインターネット上に記載してくれていた各ブログやメディアには本当に感謝しています。
「情報は人を助ける事が出来る」と信じて今回記事を書かせて頂きました。
この記事がキッカケであなたが、マルチ商法被害から救われたら、とても嬉しいです。