「高卒だと学歴で大卒に劣るから、就職・転職しにくそう、、、」と学歴コンプレックスを感じる高卒生も多いのではないでしょうか。
企業の中には、大卒以上者限定の求人を出すところがあったり、大学でないと取れない国家資格もあったりと、不安な毎日を過ごされているのかもしれません。
また、高卒の方が大卒よりも初任給が低い、という現状もあります。そのため、できるだけ高収入を見込めるように資格取得を検討される人も多いと思います。
ここでは、高卒でもとれる資格や、就職活動におけるポイントなどをご紹介します。ぜひ、就職活動に活かしてください。
1.必見!高卒就職者にとって資格は有利なのか!?
高卒で就職活動をするとなると、「大卒よりも学歴で劣るから就職しにくいかも、、、」という不安がつきものになりますよね。
実際、就職活動の時期には企業の採用担当は多くの履歴書を見ます。
また、多くの人と面接をすることにもなるでしょう。採用されるにはそのときに、目を留めてもらう必要があります。
そういう場面で資格を書けるということは自分のスキルの証明になります。
実際、求人の中には決められた資格が必須な求人も存在します。
もし自分のしたい仕事だったときに「資格がないから諦める」というのはもったいないですよね。
また、採用担当が合格者を悩んだときに、客観的にスキルを証明できたほうが選んでもらえる可能性が上がります。
必要に応じた資格の取得は、就職活動において有効な手段です。
2.要注意!資格を選ぶ際に気をつけるべきポイント
「いろいろ資格があるけど、どんな資格をもっていたら就職活動に役立つの?」そんな疑問がある人も多いのではないでしょうか。
現在、日本には約3,000種類を超える資格があると言われています。
その中には、就職活動の際に役立つものもあれば、そんなに役立たないものもあります。また、就職後に取得するものも多いです。
「じゃあどの資格を取得すればいいの?」ということで、資格を選ぶ際に気をつけるべきポイントをご紹介します!
2-1.資格は3種類ある!その資格って国家資格?公的資格?民間資格?
資格は大きく分けて3種類あります。それが、国家資格・公的資格・民間資格です。
国家資格は、国から認定する資格のことです。また、公的資格は民間団体や公益法人が実施し、文部科学省などの官庁や大臣が認定する資格のことです。
そして民間資格は、民間団体や企業などが独自の基準で認定する資格です。
就職活動で有利なのは、国家資格や公的資格を取得することです。
国や官庁からの認定がある資格であるため、資格としての優位性や信頼性をアピールすることができます。
そのため、資格取得を考えるのであれば、できるだけ国家資格や公的資格をとるようにしましょう。高卒でも取得可能は国家資格は存在します。
2-2.その資格、どこで使えますか?
資格をもつことで、「そのスキルがある」「能力がある」ということを企業にアピールすることができます。
ただ、何か特定の仕事をするときにしか活かせない資格だと、それ以外の企業の就職の際には、必要のないものになってしまいます。
資格取得を考える前に、その資格がどのような職場で役立つものなのかを考えるようにしましょう。「なんとなくあったら良さそうだから」で選ぶのは、時間の無駄にもつながります。
資格取得のためには勉強時間が必要なので、時間を無駄にしないためにも、どこで使える資格なのか、を考えて勉強する資格を選びましょう。
ただし、どうしてもその仕事に就きたい、という想いがあるなら、その業界でしか活かせなくてもその資格を取りましょう。
目的があるなら、どの資格にも必要のないなんてことはありえません。
2-3.就きたい職業に必要な資格を選ぼう!
「なんとなくこの資格の名前聞いたことがあるから」という理由で取得し、その資格が活かせる職業に就職できたとします。
ただ、自分が好きなことでないと仕事が苦痛になってしまいますよね。
実際、平成28年3月に高校を卒業した、新規学卒就職者の3年以内の離職率は4割近い(*1)という現状もあります。
(*1)「https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00002.html 厚生労働省HP参照」
また、平成29年3月に東京労働局が調査した「高卒者の離職理由」についても、男女問わず圧倒的に「仕事が合わない」という解答が多く、離職者の3割近くを占めています。(*2)
(*2)「https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0145/1860/2017413153945.pdf
学卒就職者の離職状況の調査結果 (平成27年3月中学・高等学校卒業者)参照」
つまり、自分にあった仕事、やりたい仕事でないと続けることが難しいということです。
「よく聞く資格だから」と言う理由で資格を選ぶのはやめて、自分のしたいことに必要な資格を選ぶようにしましょう。
3.高卒でもとれる、もっていたほうがいい資格○選!
実際、高卒で就職活動するときにもっていたら有利になる資格には、どのようなものがあるのでしょうか。いくつか紹介します!
(1)宅地建物取引士
«特徴»
通称宅建士と呼ばれる資格です。これは、国家資格に分類されます。
不動産事務所の開設・営業において、従業員5人に対して1人以上はこの資格をもっていないと営業できません。
そのため、不動産業界に就職したい方にはぜひ取得を目指していただきたい資格です。
また、不動産業界だけでなく不動産の取引を行う業界では活かすことのできる資格です。
例えば、建築業界や金融関係、一般企業の財務などです。これらの業界では、土地としての資産の運用などが行われることがあります。
そのときに、不当な取引が行われないよう、不動産の知識を持つ宅建士が必要とされます。
«平均勉強時間や費用と合格率»
この資格試験は、幅広い人に人気の資格であるため、参考書等も充実しています、そのため独学での合格も可能な試験です。
平均的には5〜8ヶ月くらいの学習期間を必要とします。費用としては、8〜15万円程度が相場です。
合格率は15%前後とあまり高くないので、計画的な学習が求められます。
(2)TOEIC
«特徴»
TOEICは資格というよりは検定に近いですが、英語力をアピールするために重要なものです。他には、ワーキングホリデーで海外での職務経験も同じような位置づけになります。
TOEICの場合、700点以上は大卒レベルの英語力でとることが可能です。そのため、就職活動でアピールするためには800点以上が求められます。
«平均勉強時間や費用と合格率»
TOEIC500〜700点台の中級者が、TOEIC800点以上の上級者へとステップアップしていくためには、約350時間ほど必要と言われています。つまり毎日1時間で約1年です。
勉強のコツとしては、リスニングや文法問題の正答率を上げること、また、ボキャブラリーを増やすことです。
受験者全体に対するTOEIC800点以上の割合は約13%です。合格率がとても低いわけではないですが、そんなに簡単なものでもないですね。
英語は毎日の積み重ねが必要です。TOEIC800を目指すなら毎日少ない時間でも楽しく勉強を継続していきましょう。
(3)普通自動車運転免許
«特徴»
多くの人が所有している普通運転免許。営業職など幅広い分野であると便利な資格です。ATのみの免許でも問題なく運転できるので、なるべく早く取得することをおすすめしましす。
また、運送業などに興味がある人は、中型自動車運転免許や大型自動車運転免許をもっていると有利になります。しかし取得資格として、普通自動車運転免許をもっている期間に制限があります。
そのため運送業に興味がある人には、早めに普通自動車運転免許を取得することをおすすめします。
«平均勉強時間や費用と合格率»
普通運転免許は自動車教習所や自動車学校に入校して取得するのが一般的な方法です。20〜35万円ほどの費用がかかり、それなりの時間を通わなくてはいけません。
それ以外の方法に、一発試験というものもあります。これは、一度自動車学校に通っていたが更新期限を過ぎて失効してしまった、という人がよく利用します。費用は数万円とやすいです。
合格率は、60〜70%くらいが平均的です。もし1回目で落ちても、1年間に何度でも挑戦できることが特徴です。
(4)MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
«特徴»
MOSとは、マイクロソフトのオフィスを使えることを証明する資格です。ちなみに、マイクロソフトのオフィスとはワードやエクセル・パワーポイントなどのことを言います。
ただ、この資格があるから就職できることはないです。それよりは、ないと採用担当者に対して、「この人はPCが使えるのか?」という不安を与えることになります。
そのため、「PCが使えないかもしれないから採用しない」というリスクを減らすためにこの資格は有効です。特に事務系の仕事をしたいと思う場合は、前提としてもっていたほうがいいと思います。
また、このMOSは世界的に行われる資格試験です。そのため、ここで認定されたスキルは世界で通用します。
«平均勉強時間や費用と合格率»
MOSは、勉強時間は約2ヶ月で、合格率も80%とほとんどの人が合格できる資格です。
勉強方法として、独学とスクールがあります。対策教材もあるので独学でも可能です。試験には実技があるので、スクールに通うとより合格率が上がります。
(5)ITパスポート
«特徴»
IT企業はベンチャー企業が多いです。また、専門的な知識が必要なので、学歴よりも実力・能力を重視する傾向があります。
ITパスポートはIT系に対する最低限の知識をもっているという証明になります。そのため、IT系企業への転職にかなり有利な資格であると言えます。
また、プログラマーやシステムエンジニアは技術があれば学歴関係なく高収入を得ることができます。IT系は高卒でも高収入を狙える業種なので、興味がある人はITパスポートの資格取得を目指しましょう。
«平均勉強時間や費用と合格率»
平均的に約3ヶ月くらいの勉強時間で取得することができる資格です。
ITパスポートの合格率は約50%で、そんなに難易度が高いわけではないです。また、参考書や無料の勉強サイトが充実しているため、独学でも勉強可能です。
4.就職活動で一歩リードできるコツ!
就職活動をするとき、やっぱり学歴が大卒に比べると目おとりするからどこかで目に止めてもらう必要がありますよね。
書類選考や面接で、採用担当の目に留まるようにするコツをいくつかご紹介します!
4-1.まずは書類選考、アピールできるところは最大限にアピール!
採用担当の人は多くの履歴書を一度に見ることになります。そのため、流し見になってしまうことが多いです。
つまり、採用してもらうためには、目を留めてもらう必要があります。もっている資格などはできるだけたくさん書いてアピールすることが大切です。
小さな資格でも記入を忘れずに。資格は主観的な評価ではなく客観的な評価です。そのため、自己申告よりも有効なあなたのスキルの証明になります。
学歴の段階で高卒と大卒では見られ方が変わってしまう可能性があります。大卒者に目劣りしないためにも、アピールできるところはアピールしましょう。
4-2.自分のやりたいことに正直に!自分の想いを書類に載せる!
履歴書で何よりも大切なところは志望動機です。
志望動機は自分のやりたいことに対する想いを載せるとともに、企業がしたいこととの重なりを伝える部分です。
志望動機は、「なぜ、自分が数ある企業の中からその企業を選んだのか」を伝える場面です。
いくら面接で想いを伝えられたとしても、書類選考で落とされたらその機会すらありません。
企業の情報を熟読し、会社の大切にしていることを理解することを大切にしましょう。その上で共感の意思を伝えるために、丁寧に書くようにしましょう。
4-3.資格に頼りすぎず、実務経験を積むことも大切に!
資格ももちろん大切なアピールポイントではあります。しかし、それ以上に企業が求めているのが実務経験であることも多いです。
実務経験を積むために、資格をとる勉強をしながら、その業界でアルバイトをしてみる、のはいかがでしょうか。アルバイト先から正社員に登用されることもあります。
また、実務経験を積めるのは、若いうちから社会に出れる高卒者の特権です!大卒者はバイトといっても、学校の時間や課題の時間があるので、経験を積むのは難しいんです。
やりたいことを見つけて、それに必要な資格を取得しながら実務経験を積みましょう。そうすることで、企業の求めるすぐつかえる人材になることができます!
4-4.とりあえずなんか資格、ではなく、やりたいことにつながる資格を
高卒だから大卒よりも学歴では劣ります。そのため、どうしても資格などを取得して優位に立ちたい、という心理になってしまう可能性があります。
しかし、なんとなく資格を取得しても自分のしたいことと全く関係ないこともあります。
また、わざとその資格が活かせるような求人を探すと、やりたい仕事ができずすぐにやめてしまうこともあります。
このように、「ただ何かの資格がほしい」という思いだけで勉強をするのは、時間の無駄になることも多いです。
どんな仕事がしたくて、そのためにどの資格が必要なのかを考えてから勉強を始めましょう。
そうすることで無駄な時間を使うことなく、自分自身の就職活動に有効な資格を取得することができます。
実際、高卒以上で学歴・資格不問の求人はたくさんあります。また、就職後に取得する人が多い資格もあります。
高卒で学歴での不安を感じて何か資格を検討することが多くなると思います。でもそうではなく、自分がどんな仕事をしたいのか、から考えることが大切です。
あなたのキャリアを充実したものにするためにも、あなたのやりたいと思う仕事を考えるところから始めましょう。
そして、目指す仕事に必要な資格の取得のために勉強しましょう。
調べてみると高卒でも受験資格がある資格はたくさんあります。
大卒じゃないから、と学歴のコンプレックスを感じるのではなく、自分らしいキャリアを目指して就職活動をして、自分らしい人生を歩いてください。